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Figure 1. 加藤雨人(かとう うじん)氏

2012年秋、銀座で若き書人達が集い開催された「小さな展覧会」。

前回、展覧会の作品をピックアップしてレポートいたしましたが、今回は 篆刻 家にスポットをあててご紹介します。

二人目は加藤雨人(かとう うじん)氏です。

幼いころより日本画家講師であった祖母、書道教室師範であった母の影響で筆に親しむ。

淡海書道専門学校で書を学び、篆刻に出会う。1997年、北京の首都師範大学の高恵敏(阿敏)老師に師事、本格的に篆刻を学びはじめ、北京で2年間学ぶ。帰国後、関正人氏の一番弟子である豊岡歩斎氏に師事。2010年師の豊岡歩斎氏が永眠し、2011年益満丁庵氏に師事。

2001年には令夫人の故郷であるイスラエルに渡り、ヘブライ文字書道などを学ぶ。

2012年北鎌倉に篆刻ショップ「かまくら篆助」をオープン。

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Figure 2. 「小さな展覧会」での加藤雨人氏の作品展示。イスラエルの新聞紙に印を捺したり、書き損じの画仙紙を貼ったパネルを利用しオシャレな展示に。
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Figure 3. 遊戯三昧
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Figure 4. 景雲飛(景雲飛ぶ:めでたい雲が飛んでいること)
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Figure 5. 獨楽(獨り楽しむ)

「また、印の中央を思い切って空けると作品を大きく見せることができます。『景雲飛』や『獨楽』の作品を見ていただけるとわかると思いますが、アンバランスなバランス、良い意味で、あまり厳密になりすぎず“適当”ということも必要です。それが私のアプローチ方法です。」

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Figure 6. 『景雲飛』の作品で中央の余白について説明する加藤氏
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Figure 7. 詩情畫意

「1本の線は一度で彫ります。わざとらしさを無くし、どこに捺してもオシャレな印を彫りたいと思っています。」

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Figure 8. 加藤雨人(かとう うじん)氏

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さらに加藤氏のお話を伺っていたら、衝撃のお言葉!

「1日に100本の印を彫ることがよくあります。日本で(作品に捺すための)印を売って生計を立てることは非常に難しいことです。国内に10人もいないかもしれない。私は実際に印で生計を立てていますので、その自負がありますし、何より彫ることが楽しくてしかたないですね。」

Beyond Calligraphyの読者へのメッセージ。
「1つ5000円でお好きな言葉の印を制作いたします。ホームページ上から注文できます。」

【連絡先】
加藤雨人
横浜市栄区田谷町1931-1
045-852-8810
E-mail: [email protected]
Website: ujin.info