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Figure 1 概観

筆の芯の部分に丈夫な手漉きの和紙を巻いているため、全体の3分の1しかおりない。そのため、根元が捌けない分腰が強くなり、穂先がよくまとまる。写経や古典の臨書、実用書向きである。

 一方、すべて穂先がおりないことが、今の書風の表現手段としては不向きな面もある。また、一般的な筆(水筆)より製作時間がかかるため、大量生産が出来ない。以上の2点が、巻筆が衰退していった原因であると考えられる。

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Figure 2 二人で作業中.
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Figure 3.尾締め.
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Figure 4.尾締め 毛先アップ

巻筆の工程説明

  1. 尾締め・・・麻糸で根元を3ヶ所しばる。
  2. 尾締めのアップ写真です。
  3. 紙巻き・・・手漉きの和紙で麻糸でしばった部分を強くまきつける。
  4. 纐ム掛け・・・紙を巻いた穂に上毛(化粧毛)をきせる。
  5. 尾締め・・・穂の根元を麻糸で強く結ぶ。
  6. 糊入れ・・・軸に接着剤を入れ穂をすげた後、ふのりを十分に穂にしみ込ませ、麻糸で絞り穂を指先で整える。
  7. 完成・・・乾燥させてサヤをする(天平筆以外はキャップ)。

巻筆の将来についての悩み

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Figure 5.紙巻き.
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Figure 6.上毛掛け
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Figure 7.尾締め.

巻筆の存在というのは、30年前まであまり世の中に知られていなかった。しかし、元大東文化大学教授の村上翠亭先生が、古典の臨書の際には巻筆が使われていた事など巻筆についての重要性を広めてくださったおかげで、段々国内でも認知されてきた。とは言っても、一般的な筆(水筆)に比べると、使われている方も少なく、依然認知度は低い。

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Figure 8.糊入れ

巻筆の作り手がいても、使い手が少なくなっていけば、自然と巻筆の存在はなくなってしまう。そのため、これからもっと多くの方々に巻筆の存在やその良さというのを広めていきたい所存である。

15世雲平と息子純一の経歴

15世藤野雲平・・・1950年2月8日生まれ。高校卒業後18才の時より14世雲平の元筆作りの修業に励む。筆作りをして40年以上、これまで数多くの書家や先生の筆を手掛け、皇室(有栖川家)からもご注文を賜る。
藤野純一・・・1983年1月20日生まれ。高校卒業後、大学に進学した際は教職の道を選び勉学に励む。しかし、教職採用の厳しい現実を知り、筆作りの道を選択。

大学卒業後、広島県安芸郡熊野町にて、3年間筆作りの修業。後は、滋賀に戻り、父の元で日々巻筆作りに励んでいる。

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Figure 9.完成

巻筆を作るという職業(芸術)は、書道に似ているかもしれない。ある世代から次の世代へと受け継がれ、実際に体験したり、熟練した指導者からの指導を受けたりすることなく存続することはできない。言葉では十分に書き表すことができず、それにはまず、経験することが必要だ。

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