- 18/02/2012筆者(英文): Ponte Ryuurui (品天龍涙) 翻訳者: Yuki Anada 書道 は、プライドや目標、競争心といったものなくても栄えるものである。書道は、世俗的なものを否定し、非現実的なものを賞賛することで上達する。自分のやってきたことが報われる時は、とても気分がいいものだ。ただし、我々は、目的を捻じ曲げるようなことからは、ある程度の距離を保たなくてはいけない。そうでなければ、道はぼんやりとかすんでいき、自らを失うことになる。 写真1:グループ学習は、他の書道家の作品を賞賛することと同じくらい重要なことだ。技術を向上させるためには欠かせないことである。 写真2:優れた先生というのは、指導するというよりもむしろ、我々を導いてくださる。また、我々門下とともに、また、時には我々から学ぶ。 写真3:「嵯峨天皇宸翰唐李嶠詩集」の一節。各ページに、解説・注釈が糊付けしてある。 写真4:特定の名作を詳細に理解することは重要なことである。誤りを繰り返すと、勉強が前に進まない。写真は、越舟先生が嵯峨天皇の詩集の一つを詳しく説明しているところである。 書という生き方を選んだ我々にとって、生涯、書を学ぶことは、師範となって世に認められるためのものではなく、むしろ、古来の原理と調和することによって、芸術的価値を持った人になることである。書は、我々の美学的意識を高め、さらに上へと導いてくれる。 偉大な思想家、老子(紀元前6世紀)は、かつてこう述べた。「知りて知らずとするは尚なり。知らずして知れりとするは病なり」我々は、自分が知っていると思い込んでいるすべてのことを忘れて、未知なるものに没頭するよう努力しなければならない。継続することのない、かつ、こだわりのない情熱は無意味である。それは、さらに先を目指すという意志なしに知識を追い求めるようなものだからだ。誰も、(他人に言われて)無理に勉強をすることはできず、心から目的を持たなくてはならない。私にとって、書は、趣味でも私自身の生き方でもない。書なくしては呼吸することすらできない、空気のようなものである。書を知らない人にとっては、書にはそれほどの価値はなく、白紙の上に描かれた、単なる数画の文字としか思わないだろう。しかし、それらの筆跡の裏には、壮大な世界が広がっているのだ。 写真5:古代の書道家たちは、しばしば瞑想し、他の師範の作品を味わう。このように伝統は生き続ける。 写真6:60年にわたって筆を動かし続けた人の手の動きは、何千ものことを物語る。 [youtube=http://www.youtube.com/watch?v=dy0aWwuTQwI&w=560] 動画:梶田越舟先生(1938年~)による、臨書。清朝(1644~1912年)の書道家、呉大澂(1835 ~1902年)の作品から、四文字を篆書にて。 写真7:どんな書道家にとっても、臨書を繰り返すことは、書の基礎を築く上で大切なことである。これは、書を極めるための唯一の方法である。 書を学ぶには、様々な方法がある。もっとも重要なことの一つに、古典を研究し、学術的に分析をすることが挙げられる。臨書を始める前ですら、何を学ぶべきかを把握しなくてはならない。私の先生(梶田越舟先生)が主催する古典研究会の目的はまさに、我々の未知なる事柄を理解させ、そういった知識がなければ、既知の事柄を真に理解することはできないということを把握することにある。先生は、我々の会合を「聿玩会(いつがんかい)」と呼んでいる。聿玩会は、2週間に一度、偉大な書道家たちが残した名作に対する知識を深めることに興味のある人のために開催されている。ご自宅にある多大な書籍の中から、先生は毎回古い本を持って来て我々に提示し、説明をして下さる。時には、我々が追い求めるべき課題や、研究すべき事柄を提示して下さる。 聿玩会は、大学生が果てのない海を航海するときに教授が手を差し伸べるような、大学の授業にとても似ている。我々は、出版された書籍や辞書などの誤りや不備、また、学者たちの誤解、誤植などを話し合う。石碑が損傷しているために、本に掲載された拓本には、文字が欠如していることがあるのだが、時に我々は、欠如した文字といった、判断が難しい分野をも議論することがある。石碑のようなものの代表的な例として、石鼓文がある。 写真8:篆書で書くときの原則の一つは、紙に対して筆の先を垂直に保つことである。写真7も同様である。写真7は、吳大澂(1835~1902年)の作品を臨書しているところである。 写真9:篆書は、特に私が好きな書体である。複雑で、粋で、実際にはほとんど使用されていないが、純粋ないにしえゆえに、魅力的である。 写真10:勉強用の本に解釈や注釈を加えることはとても有益である。書は、様々な文献などを参照しながら勉強すると、書の上達の妨げになり得る誤りをなくすか、少なくとも減らすことができる。 最近の会合では、嵯峨天皇(786~842年、第52代天皇)の「嵯峨天皇宸翰唐李嶠詩集(さがてんのうしんかんとうりきょうししゅう)」に書かれたある三つの文字について、1時間にも及び話し合いがなされた。嵯峨天皇は、平安時代(794~1185年)の「三筆」と言われる偉人の一人である。写真4の、解説・注釈つきの本を見ると、書道家が2世代以上にもわたり、研究を目的にこの本を使っていたことがわかる。 写真11:梶田越舟先生の書かれた作品は、各勉強会の最後に、皆で共有する。私は先生の作品を真似るのではなく、むしろ、元々の作品を、先生がいかに解釈したかを理解するために見る。 会合は一回ごとに、または数回にわたり、ある一つの古典の研究に費やされる。2011年度は、ほぼ1年にわたり、晋朝(265~420年)の王羲之(303~361年)の草書の研究に充てられた。王羲之の書簡の臨書について、練習・議論するのに、7~8か月ほどかかった。その過程で、梶田越舟先生は、勉強に役立つ説明書を常に持ってきて下さったため、王羲之の人生の様々なことを学ぶことができた。 写真から、吳大澂(1835~1902年)の小篆を勉強しているのがおわかりだろう。吳大澂は、清朝(1644~1912年)の著名な金石学者兼書画家である。私の先生は、常に我々と共に筆を動かし、教室の中を歩いて回って、他の人の筆で一緒に書くことが好きである。さて、ここで、我々の会合の名前の由来をおわかりいただけたことと思う。文房四宝のみに慣れてしまうのは重大な誤りである。できるだけ多くの筆や、墨、紙、硯を使ってみる必要がある。組み合わせは無数にあり、それゆえ、成果も無限大である。...
- 29/05/2012...entire tuft. Figure 7. 吾れ動け(遣)ば宇宙動く (われうごけばうちゅううごく, ware ugokeba uchū ugoku), i.e. “When I move, the universe moves”, calligraphy by Ponte Ryūrui (品天龍涙), silver ink on black paper. Text and photography:...
- 16/11/2012Original English can be found here. Figura 1. Rona Wagner, ulei pe pânză, 33 x 25 cm, 1946 Am visat la Japonia cu mulţi ani înainte de a fi păşit...
- 05/06/2012...Figure 3 岡山高蔭の額作品) Figure 4 比田井小琴手紙 昭和五十年には昭和天皇皇后両陛下に製筆の技術台覧の栄を賜る。さらに昭和五十四年、宮内庁のご依頼をうけ天平勝宝四年大仏開眼供養に用いた「天平筆」模造品を奈良正倉院にお納めする。平成七年には、皇太子雅子両殿下に技術の台覧を賜るとともに、NHK総合テレビ番組『手仕事日本』で雲平筆の巻筆技術が全国に紹介される。 Figure 5 有栖川 掛け軸 Figure 6 比田井天来手紙. 平成21年1月「皇室アルバム」で有栖川流書道の用筆として紹介される。 当筆の種類としては、「天平筆(雀頭筆)」「筆龍籐巻筆」「弘法大師流筆」「藤原定家卿筆」「上代様筆」「光悦筆」「道風朝臣用筆」などがあります。これらは中国唐時代に淵源をもつ「巻筆」と呼ばれるもので、紙を腰に巻く伝統技術であり、私たちはこれを現代に伝えています。また、現在広く使われている「水筆」「捌筆」などもご注文に応じて作っております。羊毛、狸、鼬、馬などの毛を材料に、皆様方に喜んで戴ける手作り筆に精魂込めております。 Figure 7 比田井天来作品掛け軸 Figure 8 有栖川家からの手紙 Beyond Calligraphyより一言 筆者:品天龍涙 (ぽんてりゅうるい) 翻訳者:森由季 攀桂堂の歴史は長く奥深く、そして、伝統を受け継いだ職人芸は、並外れたものです。Beyond Calligraphyの共同設立者として、また、これを代表して、英語での初の試みとして、「攀桂堂」の伝統を世界中の読者の皆様と共有できることを、誠に光栄に思うとともに、NHKが国内で攀桂堂を広めたように、我々も世界中に広めることができたらと思っております。また、執筆にあたって、日本語での記事の提供を快諾し、とても興味深いお写真を提供してくださった藤野純一さん(十五世雲平のご子息)に、心から感謝申し上げます。 パート2では、巻筆がどのように作られるのか、また、どのような特徴があるのかについて、述べていきたいと思います。...
- 12/11/2012書に深い情熱を持つ、20-30代の若き書人による展覧会「若き書人たちの 小さな展覧会」が2012年9月4日から9日まで、日本美術のメッカ、銀座で開催されました。 写真1, 事務局 作村聖一さん。(右) この展覧会は、新しい時代の 王羲之 や空海を輩出したい、若い世代を育てたい、という想いを持つ、株式会社リンクスの担当者により7年前に企画され、開催されるようになりました。以後、毎年20-30代の書人に貴重な発表の場を提供し続けてきた素晴らしい展覧会です。 「小さな展覧会」事務局の作村聖一さんにお話を伺うと、「この展覧会は、若い書人に活躍の場を与えたい、育てる仕掛けをしたいという想いで始めました。各新聞社公募展でもグランプリを受賞する作家が生まれる一方、前回展では東日本大震災被災地支援チャリティーにとり組むなど多様な取り組みが広がっています。他の芸術ジャンルの若い作家と競って作品を発表したり、売買したり、ロゴや題字のような商業文字の注文を受ける、といった活躍の場を提供し、若い世代を育てたいと思っています。」とのことでした。 今回展でも、大東文化大学、東京学芸大学、二松学舎大学などで書を専攻した書人たちによる約60点の意欲的作品が発表され、若さと個性で大勢の来場者を魅了しました。 写真2. 小さな展覧会出品メンバーたち。 連立個展コーナーが設けられ、平蔵(へいぞう)(漢字)、松尾碩甫(まつお せきほ)(篆刻、書画)、北山直高(きたやま なおたか)(漢字、漢字かな交じり書)の三氏が、それぞれの個性を発揮。見応えのあるものとなりました。 写真3. 平蔵 「月夜」「刹那」 作品と表装の境をとりさった作品。布の上に直接文字が書いてあります。 写真4. 松尾碩甫 篆刻「大吉羊」 写真5. 扇面作品 17の印と4つの扇面で存在感のあるコーナーに。 →写真6. 北山直高「流蛍撲風」「書と音の響きあい」 柔らかく穂の長い筆と濃墨を使って魅力ある線を表現。 個展コーナー以外の作品も実に個性的でインパクトある作品が並びました。その全てを紹介することはできませんが、一部ご紹介したいと思います。 写真7....
- 25/07/2012Figur 1. Orakelknochenschrift (甲骨文, こうこつぶん, kōkotsubun) – Formen von 上. 1. Bedeutung: darauf, oben, nach oben, erst, aufwärts, hinaufsteigen, Oberfläche, darüber, obere Seite usw. 2. Readings: Kunyomi (訓読み): あ.がり,...
- 20/11/2012原始文字,藝術和攝影:馬瑞斯Szmerdt 英語翻譯:浦Ryuurui(品天龍涙)的油墨畫(墨絵,すみえ,藝術暈染,ë),技法源自遠東文化(主要是中國和日本),而異國情調來自我的祖國波蘭,藝術的本質是無國界的,誘我深入冒險其境界。 圖 1. 圖 2. 圖1。西方和東方的龍有很大的不同。亞洲四小龍是強大但仁慈的,智慧和好運的使者 。我畫這幅畫的目的是為了把龍掩蓋在雲中,以強調其神話般的性質 。我想讓觀眾的想像力自由地奔放,這幅畫的精髓隱藏在雲中,彷彿從撕裂的碎片中,展開一條巨龍。圖2。細部的繪畫如圖1所示。版權所有 (c)2012年除了書畫馬里烏什Szmerdt。版權所有。 我被日本文化的魅力所吸引開始於武術 。武術訓練所需的精神和思維定式,對應的就是 水墨 畫和書法藝術。budou(武道,ぶどう,浮圖,即“武術”)的路徑,我信奉佛教和禪宗的哲學,這使我發現我陶醉其深度,並通過簡單的形式表達複雜美學的日本畫。我的心將永遠致力於此,我將生活定義為油墨的痕跡。 圖 3 圖 4 圖3。我不太滿意第一張畫龍的成果,幾天後我再次嘗試。第二條龍的強大氣場提醒我們我們的世界和古代神話境界之間的邊界,提醒我們要尊重未知的野性自然力量。包裹在雲霧中的龍,顯露自己是被選定少數能感知自己與周圍是在不同層級上。 圖4。詳細的繪畫,如圖3所示。版權所有 (c)2012年除了書畫馬里烏什Szmerdt。版權所有。 我是在藝術家包圍的環境中長大的。儘管生活忙碌,我的母親總是會找時間架好她的畫架、畫筆和油漆。我受到藝術本能的招喚,像磁力般吸引我的注意力,我把自己的靈魂,獻給了色彩和光的世界。以油畫和水彩畫開始,花費多年學習各種繪畫技法,中間經過木炭,鉛筆,甚至彩色玻璃作品,我第一次與油墨接觸是藉由在我的工作室實行紋身藝術專業 13年。然而,當我發現東亞 水墨 藝術,我意識到,這正是我下意識想要尋找的東西,讓我毫無保留或限制地表達自己藝術。當我用墨畫的時 候,我覺得好像我的藝術是完全符合我的心靈和精神。 空靈的 水墨 藝術,以及其豐富靈性的性質和驚人的簡單,我已經決定,這是我應遵循的路徑。它不僅是一種讓我的藝術潛力充分發揮藝術形式,也是與佛教哲學密切相關,仍然存在,並且在我的生活中佔有非常重要的地位。 圖...
- 13/01/2016This year’s Chinese New Year, which is the first day of the lunar year, is coming in less than a month on February 8th. According to ancient tradition, families gather...
- 05/03/2010The origins of seal script (篆書, tensho) reach deep into the history of China; all the way to the end of Xia dynasty (夏朝, 2070 B.C. – 1600 B.C.) –...
- 05/03/2010Gyousho (行書, also known as walking or running style) was the last of five major styles to appear. It was the natural result of everyday handwriting. Whenever a calligrapher decided...